東京 日本全国ご当地パン祭りの現場から

日本全国から地元の有名パンが大集合!
ご当地のおいしさを競う、とっておきのパンの祭典。

パンのおいしさ、楽しさを知るイベント「全日本パンフェスティバル」の 目玉イベントといえば、「日本全国ご当地パン祭り」です。
日本全国各地から、地元の有名パン屋さんが集結し、 バラエティ豊かなご当地パンが一堂に並びます。
にぎやかでたのしいこのイベントの根幹には、 子どもたちに和麦と日本の食を伝えていきたい想いがありました。
「日本全国ご当地パン祭り」の現場に迫ります。

運営のお話:主催機関・全日本パン協同組合連合会専務理事 福井敬康さん

ご当地に根づくパンの発掘は、
日本の食の継承につながっている。

「日本全国ご当地パン祭り」は、日本全国の製パン業者が加盟する 全日本パン協同組合連合会(以下全パン連)が主催する、 1日限りのパンの祭典「全日本パンフェスティバル」の目玉イベントです。
※全日本パンフェスティバルに関しては「全日本パンフェスティバル」のページをご覧ください

第一回目の開催は2010年ですね。我々の下部組織である 「全パン連青年部総連盟」の20周年記念の事業として始まりました。
以降、ご好評の声にお応えして毎年開催しておりますが、 本年の第六回目では1万4千人のお客さまにご来場いただける ビッグイベントへと成長を遂げてきました。
これもひとえに、パン食が日本の食卓で愛されていることの 裏づけなのではないかと思います。
そもそも主催である全パン連の事業の大きな柱は、学校給食です。
学校給食に収めているパン屋さんの会社が組合員として 各都道府県それぞれに組合があり、各地域それぞれで活動を行っています。
※全パン連とは?
昭和31年3月、全国パン協同組合連合会、日本パン協同組合連合会、 全国学校給食パン協同組合連合会の3団体が発展的解散をし、 大同団結をして全日本パン協同組合連合会を結成した。
中小企業等協同組合法に基づき都道府県ごとに設立されている各パン組合の連合会である。
給食の米飯を考えた時に米はやはり国内のものですよね。
そうであれば、パンも国内のものに変えていったら自給率も向上する。
であれば、国産小麦での給食パンを推奨していこう、という流れがありました。
そんななか、北海道の農研機構※で2009年、 ※国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 すごい小麦ができた、という話がありました。それが超強力小麦の「ゆめちから」です。
「ゆめちから」はほかの小麦とブレンドすることによってその力を発揮し、 おいしいパンになることができる、という特色を持った小麦です。
「ゆめちから」をベースに、静岡だったら「イワイノダイチ」、九州だったら「ミナミノカオリ」、 日本全国、各地それぞれ地場産の小麦をブレンドして その地域の学校給食パンをつくっていこう。 そんな取り組みを、現在われわれは進めています。
静岡県では国産小麦100%の給食パンが実現しました。 さらに現在では育種の研究も進み、東北では「銀河のちから」、 中国地方では「せときらら」など、製パン性に優れた小麦も開発されてきています。
国産小麦はいま注目されてきていますし、自給率の問題だけでなく 日本で育つ子どもたちが、この国の食のよさを知っていくためにも 自分の国でつくったものを食べる、という経験をどんどんしてもらいたいですよね。

現在、「ご当地パン祭り」に出展いただいているご当地パンには、 以下の3つの要素のいずれかにあてはまることを条件とさせていただいています。
①長年地元で販売して、愛され続けているオリジナルパンである ②地元の小麦、または国内産小麦を使用したパンである ③地元特産物を使用したパンである 国産小麦が注目される前から地域に親しまれてきたパンが 国産小麦で作られている、という例はまだ少ないです。
しかし、地域のパンと地域の思いを紹介できるこのようなイベントを通して、 今後も国産小麦が注目される流れをつくっていければいいなと思います。
第五回目は神戸で開催したのですが、地元を活性化していく仕組みとしても、 今後は東京での開催を飛び出して、全国各地で展開していきたいですね。

全日本パン協同組合連合会
http://zenpanren.or.jp/

全日本パンフェスティバル

パンのおいしさを知ろう!パンの楽しさを知ろう!
「日本全国ご当地パン祭り」も開催されるパンの祭典。

「全日本パンフェスティバル」は、日本全国の製パン会社が加盟する 第六回目の開催となる「2015全日本パンフェスティバル」では、 これまでで最大の出店舗数となりました。
目玉イベントの「日本全国ご当地パン祭り」や「親子パン作り体験コーナー」を筆頭に、 これまで日本全国ご当地パン祭り過去5大会でグランプリを獲得したパンを販売する 「殿堂入りパン販売コーナー」や各製パン会社などによるイベントコーナーなど、 パンを満喫できるさまざまなコーナーが設置。
会場の東京フォーラムは、パン好きや親子連れをはじめ、 行列をなす多くの人出でにぎわいました。
■2015全日本パンフェスティバル
開催日時:2015年10月18日(日)
開催場所:東京国際フォーラムB2 展示ホール
<イベント内容>
●第六回日本全国ご当地パン祭り
・会場内での全国各地「ご当地パン」の販売
・お客さまによる「ご当地パン」人気投票
・得票数の高い上位5店を表彰
1位 お好み焼きパン@大阪府
2位 赤ぱん@熊本県
3位 白いようかんぱん@静岡県
4位 博多メンタイ高菜パン@福岡県
5位 貴味メロンロールパン@千葉県
●親子パン作り体験コーナー
・パン作りの楽しさを親子で体験
・パンの成形から焼き上がりまで、会場内特設コーナーでパン職人が指導
●その他イベント
・「ご当地パン祭り」殿堂入りパン販売コーナー
・「パン工業会」コーナー
・「賛助会員」コーナー
・「2015パングランプリ東京」審査表彰式
「2015全日本パンフェスティバル」公式サイト
http://www.oishii-pan.net/event/festival/2015/index.html

出店のお話:高岡製パン 取締役社長 高岡辰生さん

パンを通じて地元を知ってもらう。
熊本の名産を、日本全国の舞台へ。

今回シルバーブレッドを受賞した「赤ぱん」は、熊本県が現在発信している 「赤い健(けん)!くまもとプロジェクト」をヒントに開発しました。
熊本県にはトマトや赤牛など赤にちなんだ食材が名産としてあり、 さらに火にまつわる伝承が多く残る阿蘇の大自然や温泉などでも赤を連想させる。
そんな「くまもとの赤」で日本を健康にしていこう!というのが 「赤い健(けん)!くまもとプロジェクト」です。
今回出品するパンを考えていた際に、これだ!と、ピンと閃いた(笑)
熊本県産小麦「ミナミノカオリ」をベースに県名産のトマトを練り込んだ生地で、 馬肉の赤味をやわらかくなるまで4時間ほど煮込んだ具材を包みました。
味つけにも熊本名産のネギ味噌を使用。 徹底的に熊本カラーを色濃く打ち出すパンに仕上がったと自負します。
弊社「高岡製パン」は給食をはじめ、地元の病院・幼稚園・企業などに パンを卸している、地元に根づくパン屋です。
全日本パン協同組合連合会にも加盟しています。
そのネットワークもあって、今回の出店に際して、 全パン連に加盟している東京のパン屋さんの製パン工場を使用させていただきました。
「日本全国ご当地パン祭り」には今年で、第五回の神戸開催を除く、五度目の出店です。
東京から遥か遠い九州からの出店は、多大な労力もいるし大変ですが、 やはり東京からのパン情報発信というのは非常に影響力の強いことだと思います。
第一回目出店の際に「ネギパン」で準優勝をいただいた時も、 テレビ局やラジオ、雑誌など、多岐にわたり取材を受けましたし、 インターネットなどでのクチコミを機に、遠方からもお客様が 「ネギパン」をお買い求めに来てくれたことが多々ありました。
パンを通じて地元、熊本を知ってもらえる、よいイベントだと感じています。
「ネギパン」、「赤ぱん」とシルバーブレッドをいただいているので プレッシャーに負けず、今度こそはゴールドブレッドを狙いたいですね!
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