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和麦ストーリー
香川和麦「さぬきの夢」篇

日本三大うどんの中でも圧倒的な知名度を誇る「さぬきうどん」。その本場・香川県県民の「さぬきうどん愛」はとても深く、自ら「うどん県」を名乗るほど。そんな香川県で前代未聞のうどんプロジェクト『県産うどん開発研究会』が発足したのは1998年のこと。製粉業者、製麺業者、生産団体、学識経験者まで、香川和麦と「さぬきうどん」にかかわる県下の人々が結集し、さまざまな角度から“おいしいさぬきうどんをつくる香川和麦の新品種を追究する”県単位のプロジェクトです。香川和麦「さぬきの夢」そうして生まれたのがでした。
料理の理想の味わいを叶えるために和麦を開発するという「さぬきの夢」の品種開発方法は、全国でも品種開発の新たな考え方としての先駆け的な事例となりました。
そんな「さぬきの夢」開発に深くかかわったお2人に、香川和麦と「さぬきうどん」にかける思いをお聞きしました。

吉原食糧株式会社
代表取締役
吉原良一さん

『「さぬきの夢」は育種から生産、製粉、加工、流通まで「さぬきうどん」に携わる実に幅広い人々が開発にかかわって生まれた香川県産和麦です。平成15年3月に「さぬきの夢2000」品種登録が完了し、短期間ですぐれた和麦品種に仕上がりました。それは、プロジェクトにかかわる人々の県産和麦で「さぬきうどん」をつくりたいという強い情熱、そして関係者の中で目標とする“うどんの好み(食感・食味)”がほぼ一致していたため開発スピードが早かったことが大きかったと思います。ご存知のように「さぬきうどん」は香川に深く根付いてきたコムギ食文化で、現在においても香川の日常食です。これは、山脈に囲まれた気候環境が大きな要因で、四国四県の中でも特に降雨量が少なく、昭和48年の大渇水は「高松砂漠」と呼ばれるほど干ばつの多い地域。さらに7世紀、律令制の口分田の時代から農民一人当たりの耕地面積は全国平均で非常に狭く、農民の生活は近代まで長く貧窮を極めました。そのような環境下でまさに「生きるためにコムギを食べる」、この地域でコムギは文字通り“生きる糧(かて)”でした。だからこそ、コムギへのこだわりが強い県民性があるんだと思います。』
明治35年から地域の歴史とともに116年にわたり香川の地に根付いてきた製粉会社だからこその思いがあると、吉原社長は続けて語ります。

『近年「さぬきうどん」はその9割がオーストラリア産の輸入小麦でつくられていますが、やはり「さぬきうどん文化」は“地元の小麦を地元で挽いて支えていきたい”という強い思いがあります。「さぬきの夢2000」「さぬきの夢2009」に続き、さらに改良をめざして香川和麦の品種開発には終わりがありません。香川和麦が育ってきた環境と歴史の上に「さぬきうどん食文化」があり、その重みを感じつつ未来に向けて「さぬきうどん」用小麦粉製品をつくりつづけるとのが地元に立脚する吉原製粉の進み道なのではないかと。』

『その思いを具現化しようとはじめた、毎年11月3日「文化の日」に開催する【さぬきうどんタイムカプセル】というイベントは、今年2018年で12回目の開催となります。
“食べて知る「さぬきうどん」の歴史と未来”をテーマに << 大正時代の「さぬきうどん」>> と << 5年後の未来を想定した「さぬきうどん」>> を食べくらべてもらうんですね。大正時代の「さぬきうどん」は、当時の水車石臼製粉の台帳に準じた手順で挽いた香川和麦でつくられた「さぬきうどん」。もう一方は、“5年後のさぬきうどんの食感・食味を想定する”という吉原食糧の開発テーマを反映させた、香川県産和麦を使用した最新開発の小麦粉でつくる「さぬきうどん」です。たとえば最近ではコムギの中のポリフェノールに着目し、その成分を多く挽きだす製粉の技術で仕上げた、風味が豊かで機能性をもつ小麦粉ですね。』

『コムギを製粉する業務に加えて、コムギがもつ未知の優れた風味や健康機能の可能性を探り、引き出すことで新しい“食の世界”を創る・・それが、私たち吉原食糧が目指すこれからの製粉事業の使命です。』

◎吉原食糧株式会社ホームページ
http://www.flour-net.com/

さぬき麺業株式会社
代表取締役
香川政明さん

『全国にさまざまなご当地うどんはあると思いますけれども、私にとってはやっぱり「さぬきうどん」がナンバーワン!そして「さぬきうどん」の製造法というのは、先人が編み出した最高の打ち方だと思っています。』と語る香川さんは、「さぬきうどん」の伝統手法を大切に守り、祖父・菊次が昭和元年にはじめた「さぬき麺業」の暖簾を受け継いで、22歳のころから半世紀にわたって「さぬきうどん」を打ち続けています。

『ふるくから讃岐の食文化として伝えられてきた「さぬきうどん」の製造手法は、地元・香川和麦をおいしく食べるために練りに練られてきた手法です。タンパク値が低い香川和麦生地だから、練って、寝かせて、力強く足踏みすることでグルテンをしっかりと出してあげる。こだわって、こだわって、伝統の手法でつくり続けてきた「さぬきうどん」だからこそ、コムギにもこだわりたい。その思いは長年にわたり強く抱きつづけていました。「さぬきの夢」は、同じ思いを強く持った人々が不思議なタイミングで結びついた、奇跡のプロジェクトです。さまざまな人の思いがひとつに実った「さぬきの夢」で初めて麺を打ったとき、釜から上がる香り立つコムギの湯気に「あっ、これうちのじいさんがつくってたうどんや!」と、胸が熱くなりました。』

「さぬきうどん」の伝統手法を守りながらも、香川さんには時代のニーズに合わせて新しい「さぬきうどん」の可能性を模索していきたい思いがあるそうです。
『やはり時代が変われば、料理のニーズも変わってきます。その時代、その時代に合わせて新しい「さぬきうどん」を模索していかなければという思いがありますね。今はインバウンドが伸びて海外のお客さまも大勢いらっしゃるようになっています。やはり、海外の方からも『さぬきうどんっておいしい!』と言われたいですよね。世界にも広めていきたい。そのためにも先日は台湾、タイ、ベトナムと、うどんに近い麺文化がある国を市場調査に回ってきました。いつになっても挑戦の気持ちは忘れずにありたいなと思っています。』「さぬきうどん」の伝統製法を守りながら長年にわたりその魅力発信に力を注ぎ、「県製麺事業協同組合理事長」や「本場さぬきうどん協同組合理事」を歴任してうどん文化の普及・発展に貢献してきた香川社長。このたび2017年秋の勲章「旭日双光章」を受賞されました。

◎手打免許さぬき麺業ホームページ
http://www.sanukiudon.co.jp/

香川和麦の基本情報

和麦名 さぬきの夢
成 分 タンパク:7.5%
灰 分 :0.38%
粉分類 中力粉
特徴・向く料理 さぬきうどん

香川和麦cookingレポート

さぬきうどん

さぬきうどん

香川和麦アンバサダー
香川 政明先生

手打ちうどんの「さぬきうどん」がいただける「さぬき麺業」では、伝統の「さぬきうどん」を味わいだけでなく製法まで伝えたいと、「さぬきうどん」打ちを体験できる『手打ちうどん体験道場』を開催しています。今回は「高松市老人クラブ連合会・高松イキイキ大学」のみなさんが体験教室を楽しむ現場にお邪魔した際のレポートをお伝えいたします。

Points of 香川和麦レッスン

『「さぬきうどん」はね、みなさんご存知の弘法大師・空海さんが奈良時代に中国から持ち帰ったものだと伝えられているんですよ。江戸時代の初めの方に描かれた絵には、金比羅山におうどん屋さんが3軒あるのが確認できます。香川県は非常に気候が温暖で土地の水はけもいいということで、コムギの栽培に適しておったんですね。あと出汁の材料「いりこ」は瀬戸内海で、うどんに欠かせない「塩」も坂出に塩田があり盛んに採れておった。昔から村には必ずうどん打ちの名人が何人かおって、お祭りや法事、運動会など、ことあるごとに特別な日は「おいちょっとうどんつくろうか」という風習がありました。お客さんが来るときも、おうどんをつくってもてなしましたね。さあ、今日はみなさんで打ちましょう』会場には早くもふんわりとコムギの香りが漂っています。

『今日は特別に、みなさんに香川で採れた和麦「さぬきの夢」で「さぬきうどん」を打っていただきます。みなさんのお手元に395g量って置いてありますね。その粉をボウルの中に移してください。その中に200㏄の塩水を入れます。この塩水を入れる時が、一番大切!塩水を入れてから初めの1分間だけ、できるだけ手の回しを早く、大きく、ぐるぐると粉をかき混ぜるんですよ。早く、大きく、ですよ~!』

『ええっ、結構たいへん?!』『こうでいいのかしら??』隣同士で確認し合いながら、先生のやり方をお手本に「さぬきうどん」づくりへの挑戦が始まりました。
『もっと早く、もっと大きく~!1分間だけでいいですからね、1分間過ぎた方は安心してゆっくり回してください。次は練り工程です。ゆっくり練っていきましょうね。ほら、みなさんこの練る時にコムギの香りがふわぁっと漂っているでしょ?これが「さぬきうどん」のために香川県が開発した香川和麦「さぬきの夢」の香りですよ。』
『練り工程を終えたら足踏みがございます。ただしみなさんのは4~5人前なので、足踏みの代わりに両手でしっかりと押さえます。袋の中に入れた生地を伸ばしたら取り出して、ロール巻きをつくりますよ。これを4回くりかえす。はい、みなさん一緒にやっていきましょうね』香川先生の指導を受けながら、にぎやかに作業するみなさんの姿。『わ~、これは力がいるわ~!』『女性だと大変よねぇ』『真剣にやってたら暑くなってきた!』

『さあ、次は生地を伸ばしますよ。お餅のように丸まった生地にコムギを振って、麺棒で伸ばしていきます。前後にころころ転がしたら、方向を変えて左右にも。麺棒を転がす時には自分の体重をかけてくださいね。麺棒は後ろへ転がすんじゃなくて、前へ、前へ。その方がかっこいいからね。はい、出来上がった生地を切って麺にしていきます。3つに折りたたんだ生地をみなさんがいつも食べているより細めの幅に切っていきましょう。そうしたら麺の完成です!』

香川和麦、いただきます!

みなさんの打った麺は大きな茹で釜の中でグラグラと茹でられ、かぐわしい湯気が立ち上ります。 『初めは茹であげたままのあたたかい麺、次は水で締めたもの、両方で食べくらべてみましょうね。いかがですか?』モチモチ食感がたまらない「さぬきうどん」麺に、みなさん驚きとよろこびの声があがります。

『こんなにおいしいなんて!』『いつも食べているうどん屋さんの麺よりおいしいかも?!』『これが讃岐和麦の味なのかね~』 『みなさん思った以上の、本当にすばらしい麺ができあがっているんじゃないかと思います。香川県で採れた香川和麦、なかなかの実力でしょ?今度はみなさんもご自宅でぜひつくってみてくださいね』

レッスン参加者の声

  • 毎日のように「さぬきうどん」は食べているけど、うどん打ちは初めてチャレンジしました。

  • 香川和麦「さぬきの夢」はみんな知ってますよ!香川では有名な和麦です。

  • 結構チカラがいるんですね!でもとても楽しかったです。

  • 農家の方々はうどん打てるんですよね。見た目は簡単そうだけど難しかった~。

  • うどん打ちは子どもの時に打って以来。すっかり忘れてました(笑)

香川和麦を使ったレシピ

「さぬきうどん」の打ち方はこちらからご覧ください。

http://www.sanukiudon.co.jp/udon/make.html